「裁かれるのは我なり」という本を読んで・・


「冤罪」事件は意外と多い。この本を読んで、特に静岡県に最も多いというのには驚いた。この袴田事件を担当した裁判官のうちの一人の熊本氏の心の激白本である。

裁判は常時3人の裁判官が審査をし、もし意見が分かれた場合は多数決で決定するようだ。これには私もショックを受けた。熊本氏は、最初から無罪であると主張していたにもかかわらず、他の2人の裁判官が死刑判決を主張したために、結局袴田氏は殺人罪で無実の罪を背負うことになる。39年経った今尚牢獄生活で、死刑の判決を受けている身である。
この無罪を主張した裁判官の熊本氏は、こうしたどうにもならない裁判官制度と結局は自分の主張が通らず、無実の罪を背負わせてしまった自責の念でこれを機に裁判官をやめてしまう。そして、何度か自殺を図るほどに、39年間ずっと彼を苦しめる・・・

いろいろ知らないことが多く、考えさせられる本だ。もしかしたら、自分や知り合いが無実の罪を課せられることがあるかもしれない。そのとき、私はどんな行動をとるだろうか。