不思議なピーナッツの物語

お風呂に入ろう思って脱衣所に行った。今日も暑くてたくさんの汗をかいたので頭から足の裏まで人間臭く匂う。自分自身のにおいだけに耐えられないわけではないけれど、一人で脇やら足やらを臭いを嗅いでは「うぇ、臭い!」と独り言を言いながらTシャツをぱっと脱いだ。
そして下着をはずすと左右の胸のちょうど真ん中のところに指が触れた時、何かがいた。「ひえー何?怖いよお」てんとう虫がくっついているような、いやダンゴ虫が体にくっついているのかもと思って思い切り振り払ったらコロンと乾いた音を立ててころがっていった。
「ん・」虫ではないらしい。よかった。しかしなんだろう?必死に探すがころがっていった異物は床と同化してしまっているのかなかなか見つからない。
あきらめようかと最後に脱いだ洋服を振ってみたら、またコロンと音がして転がった。拾い上げてみるとなんとピーナッツの片割れではないか。なんだ怖がることなかったんだ。
思い出した。昼間お腹がすいたので柿の種を食べたっけ。テレビを見ながら座椅子にくつろぎポリポリほうばったら、ひとつ胸から服の中に転がったような気がした。しかし、いくら探しても見つからず、周りもくまなく見たが無かったのだ。「それか!」
しかしあれからあちらこちらと動き回り、外出し、母の病院へも行き、看護師さんとも長くお話をし、車に乗って帰ってきたんだけれど、ずうっとくっついて離れなかったんだねピーナッツちゃんは。不思議。何時間yamittiと共に過ごしていたのかしら・・