甥の結婚式 第二話

境内を歩き終り、神社の中に上がって席に着く。神主のおはらいを受けた後、巫女さんの優雅な踊りが披露され、いよいよ三々九度の儀式となる。
三々九度・・その名の通り、男女それぞれが三度盃に注がれた酒を飲む、ということを三回繰り返す。ゆっくりと長い時間をかけた儀式を、本当にちゃんとやるんだなあと改めて感心する。
それにしても、甥の飲みっぷりには目を見張る。一回、二回とチョコチョコッと歯切れよく口につけ、三回目はぐいっと天井を見上げるほどに盃を傾けて飲み干している。大丈夫なのだろうか?親心イエ叔母さん心で心配になる。あれはレッキとしたお酒なのか、それともお酒に見せたたんなる水なのか、どっちだろう?甥も緊張しているのか、演技なのか漫画の主人公みたいにおもしろい。厳かであるが、どこか丸みがあっていい雰囲気の中滞りなく式は進んだ。
神社の結婚式もいいものだなあ。参加できてよかった。
「T君!おめでとう。ばんざーい!」